【第三弾 『走れ! 移動図書館~本でよりそう復興支援~』読書会in千駄ヶ谷】

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さて、、6月18日(水)千駄ヶ谷にて行いました標記の読書会の模様をお伝えしたいと思います。著者である鎌倉幸子さんを交えての読書会、千駄ヶ谷では三回目となりますが、今回も参加者6名(鎌倉さん、辻含む)と少人数ながらも2時間の予定が30分もオーバーするという、熱の入った読書会となりました。

 まずは、鎌倉さんからのご挨拶からスタート。今回の出版に至った経緯や、東日本大震災当時のこと、また『走れ! 移動図書館~本でよりそう復興支援~』に込めた想いなどをお話いただきました。
 東日本大震災直後から日報などの記録をつけていたそうですが、今回本を書くに当たってそういった記録や当時のメールなどを読み返していると、あんなに力をいれて立ち上げたプロジェクトなのに記憶から漏れていることも多かったと鎌倉さん。また、今回『走れ! 移動図書館~本でよりそう復興支援~』を出版するに際に、当時お話を伺った東北の図書館員さんに原稿をお見せされたそうなのですが、その原稿を見た東北の図書館員さんたちが口を揃えて「そんなこと(本に書いてあること)を話した記憶がない」とおっしゃっていたそうです。おそらくは、当時は震災の対応に掛かりきりで余裕がなかった中、図書館のことが話せたのが嬉しかったので夢中になってそんなことを話したのだろうと。震災直後から風化は始まっているというような文言が本の中にありますが、改めて人は「忘れる」生き物なのだと感じさせられました。そのためにも「記録」に残しておくということは、「記録されないものは、記憶されない」ではないですが、改めて大事であるとの想いを込めて、この文章を書いています。
 また、本の冒頭で「緊急救援時における一〇ヶ条」という一節が掲載されていますが、それも含めて「この本をマニュアルにしたかった」という想いもあったと鎌倉さん。いつどこで、また東日本大震災のような大地震が起こるかわかりません。もしもの有事の際に、移動図書館プロジェクトを立ち上げることがあったら、この本がそのマニュアルのような形になれば、との想いもあったそうです。

 鎌倉さんにご挨拶いただいた後は、参加者の方々の簡単な自己紹介です。今回ご参加いただいたのは、区役所にお勤めで図書館の運営などにも長年携わっていらっしゃったIさん。船橋の民間図書館(情報ステーションさんですね!)での鎌倉さんのお話を聴いたのがきっかけでご参加いただいた図書館勤務のSさん、はるばる高知県からご参加いただいたこちらも図書館員のMさん、そして震災当時は仙台の大学に通っていて今は都内でシステムエンジニアをしているというHさんです。

 そして次に、ご参加いただいた各々の、『走れ! 移動図書館~本でよりそう復興支援~』を読んで思ったこと、感じたこと、鎌倉さんに聞いてみたいことなどを5分から10分程度でお話しいただくという流れになります。

 まずは私、辻からの感想などです。毎回、不思議なことに、というより自分の置かれている環境などによってなのでしょうか、気になったり、心に残るポイントが違うんですよね。今回は、過去から未来へと「つなぐ」ということが、鎌倉さんの中で強く意識されて書かれているなという感想を強く感じたことをお話ししました。またお聞きしたいこととしては鎌倉さんが所属されているシャンティ国際ボランティア会の、鎌倉さんが移動図書館プロジェクトを立ち上げるきっかけとなった電話のこと、どういった経緯でそういうことになったのかをお尋ねしました。

 次にIさんです。開口一番、「モヤモヤが言葉になっている」と。それは本のp122、「誰のためか」という部分ですね、その問い掛けこそが本当に大事だと仰っていました。また、この『走れ! 移動図書館~本でよりそう復興支援~』を図書館に携わる人たちの研修に使ってもよいのではないかと。この「誰のため」の図書館なのかという問いかけは、今回の読書会の大きなテーマとなっていきます。

 そしてHさん。子どものころよく図書館に通われていたそうで、子どもたちにそういった図書館に通うという体験をさせてあげることは大事だと。また、東日本大震災当時は仙台で大学生をされていて、ボランティアがあまり人の役に立っている実感がなかったとも。そして、こういう(移動図書館)かたちのボランティアもあるんだな、という驚きがあったそうです。確かに、災害のボランティアにおいて図書館活動というのは、食糧支援などのボランティアのイメージが強いなか、少し珍しいというか驚きの念を人びとに与えるのかもしれないのだな、と再認識させられました。

 次はMさんです。高知県の図書館にお勤めということもあり、南海トラフ地震が万が一起こった時にはマニュアルとして役所で使いたいと。また目次を読んで、移動図書館プロジェクトのプロセスがわかると。そして、記録を残すことがどれほど人を前向きにするのかと、感想をお話しいただきました。

 最後にSさん。「誰のためかを問う」ということ。それがないと流されてしまう。その「誰のためかを問う」ということがいわば原点だと。役所にマニュアルとして置きたい。そして、図書館が役所に置いていかれていると仰っていました。また、移動図書館の図書管理のシステムはどうなっていたのですか? という質問がありました。

 一回りしたところで、今度はそれを受けて鎌倉さんに質問への回答や、コメントをいただきます。
 
まずは聞いてみたいことについてのご回答です。東日本大震災が起こった翌日にはすでに救援体制が動き出していたのは本にあるとおりですが、その翌日にマッピングが経験のある団体は岩手以北に入って欲しいなどのマッピングが開始されていたとのこと。そういった流れの中で、鎌倉さんに岩手で事業を立ち上げてほしいとの電話があったとお話しいただきました。また移動図書館の図書管理のシステムについてですが、当初はわりと手軽に手にすることの出来るシステムを使われていたとのことでした。
 次にコメントです。移動図書館は住民の汲み取り、聴いていると。プライバシーに配慮するのはもちろんですが、その上で時には他のNPOなどと協力体制をとることもあるそうです。また移動図書館活動を行うなかで、よく聞かれた声が「お前さん、生きてたんだ!」」というもの。移動図書館が思わぬ再会の機会になることもあったとのこと。

 そして、今までの流れを踏まえてのフリートークの時間に移ります。
 被災地では以前の街並みの風景が一変していましい、震災前の景観の記録や写真を捜す方々が多いとの話を受けて、本当に“普段の日常”の写真や映像を残しておくことが大事だ、という話になりました。確かに、普段眼にしている日常の景色というものは、あって当たり前と思っているだけに、いざ失われてみるとなかなか思い出せないのだろうと感じます。しかしそれが、貴重な記録となる。今現在、都内でも古い8㎜の映像を集めて映像として記録しておくプロジェクトがあるとのこと。ちなみに、王貞治さんが巨人に入団した日の一日を追った8㎜の映像があるとのこと(個人的にも見てみたいですし、そういった方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか)。
 また図書館そのものについての話にもなりました。図書館は無意識に口実を作っている、と。特にこれといった用件がなくても、ふらっと訪れることの出来るのが図書館の存在。そして、利用者のことを図書館が考えること。先の「誰のための図書館か」という問い掛けと通じるのですが、利用者のことを見ている、それが図書館の一つの原点のようなもの。
 本の副題にもある「よりそう」とは、「良いも悪いも含めて付き合っていくこと」だと鎌倉さん。
 前回の千駄ヶ谷の読書会で出たワードなのですが、「傾聴」を学ぶことも、図書館員にとって大事なのではないかという話も。「傾聴」とは、相手の話を聴き、自分の中で消化して「落とす」ことが出来ると。
 そして、有事に備えては、平時のつながりが本当に大事になってくると。本にも書いてはあるのですが、改めてそのことについて話をすることができました。

 そして最後に、ご参加いただいた皆さまに一言ずついただいて、今回は拍手で読書会の方を締め括るながれになりました。そう言えば、前回の読書会は一本締めでした(笑)

 以上、読書会の模様になります。まだまだ書ききれなかったことなどもありますし、フリートークのところは少し箇条書きのようになってしまって、話の流れが見えにくくなっているかもしれませんが、読書会の大まかな流れなどは伝えられたのでは、と思います。本当に時間が経ったのが、今回もあっという間でしたね。

 今回も共催いただいた著者の鎌倉幸子さん、読書会にご参加いただいた皆さま、気にかけていただいた方々に感謝です! そしてこのブログをここまでお読みいただき、本当にありがとうございます。

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